新車であろうが中古車であろうが手元にやってきたときにタイヤを4本装着しています(当然です)。
そのタイヤもいずれ寿命がきたり、冬を前にスノータイヤへ交換したり、必ず交換する機会が訪れるものです。
この記事では、車の初心者向けにタイヤ交換の方法やその選択肢について易しく解説します。
タイヤ交換を自力でやってみよう
タイヤ交換は自力で出来る作業なので、走行中のパンクなど不測の事態を考えると身に着けておくべきスキルだといえます。
非力でタイヤ交換に自信がない方でも知識だけは知って損はありません。
そこでまずは自分で交換する方法を解説しますが、交換するタイヤがホイールに装着されている前提でのお話です。
車載工具を確認しよう
かつては市販車に当たり前に装備されていた「車載工具」ですが、最近では非装備の車が増えているそうです。
なかには装備されているかどうかを知らない方もいるでしょうが、まずは一度自分の目で確認してみましょう。
一般的に車載工具は、後部の荷室の床下にスペアタイヤとともに格納されています。
そのうちタイヤ交換に使用する工具は以下の3点で、それぞれに分かりやすい役目を持っています。
これらの工具とタイヤがあれば、あとは作業をするだけです。
タイヤ交換のための準備
自分でタイヤ交換をする場合の手順は、大掛かりな装置も工具もないだけに手間はかかります。
車載工具を使ったタイヤ交換だと1本ずつ脱着するので大変ですが、そのおかげで費用は0円です(実にエコ)。
ギアはオートマの場合はPレンジ、マニュアル車は1速へ入れ、必ずサイドブレーキをかけましょう。
レンチを使いナットを緩める
実はこの作業が一番大変なのかもしれず、車載工具のレンチでナットを緩めるのは相当力が必要です。
なにせ車載工具のボックスレンチは、見た目もショボい簡易仕様で、恐らく手の力だけではナットを緩めることができないでしょう。
そんなに力が必要なら諦めるしかないのかしら?
車載工具なら厳しいかもしれません。ただ、道具さえ揃えれば無理なことではありませんよ。
私もボックスレンチに乗って体重をかけるのが常で、それほどきつく締まっていなければ脱輪するリスクがあるのだと思います。
この工程ではナットを少しだけ緩める程度で止めておきますが、それは後でナットを外しやすくするための作業だからです。
ジャッキで車体を持ち上げる
車載工具のジャッキで車体を持ち上げる作業ですが、ジャックを当てるのは「ジャッキアップポイント」と呼ばれる車体の補強してある場所です。
この場所を間違えると車体が歪んだりする恐れがあるので注意しましょう。
車体を持ち上げ、タイヤが少し浮いたらそこで止めます。
タイヤの脱着
タイヤが浮いた状態で緩めておいたナットを外し、イールごと車輪を交換してナットを締めます。
この段階では車輪が浮いた不安定な状態なので、ナットは手で軽く締まりきる程度の状態でOKです。
言うのは簡単ですが、最近はどでかいホイールの車が多いので、タイヤ&ホイールの重量も相当なものでしょう。
大変ですが、これもお金の節約と体を鍛えるエクササイズだと思いましょう。
ジャッキを外し、ナットを締める
持ち上がった車体を下ろしていき、ジャッキを外します。そしてナットを強く締めるのですが、外す時ほどではありませんが、この作業も結構な力作業になります。
そして心配なのはナットを締めるトルク(入れる力)で、弱すぎると脱輪の恐れがあり、強すぎるとボルトが破断してしまうこともあります。
車載工具のボックスレンチでは難しいので、市販されているトルクレンチがあれば重宝するでしょう。
ナットを締める時は、締めたナットの対角線上のナットを締めることで、バランスよく装着ができます。
自力でタイヤ交換をする上での注意点
手順だけをみると難しいことではないのですが、なにぶん力作業になりますし、力が弱い方や体重の軽い方には大変です。
また車体を支える「最重要部品」のタイヤの交換なので、誤った取り付けをすると事故へ直結します。
そんなリスクを考えると多少の費用は掛かっても、プロにお願いする方が安心なのかもしれません。
それに慣れてきてもタイヤ4本交換するのには、準備や後始末を含めると1時間ほどかかってしまいます。
プロにタイヤ交換をお願いする
ここまで自力で交換する方法を解説しましたが、正直自分で交換するのは大変かつ面倒なものです。
あるアンケート調査では約6割のドライバーが自力でタイヤ交換をしているそうで、個人的には「信じられない」とすら思っています。
では、人にタイヤ交換をやってもらうとして、その選択肢について考えてみましょう。
自動車ディーラーでタイヤ交換してもらう
愛車を買ったディーラーでタイヤ交換をしてもらうのが、ある意味「一番安心」な選択だと思います。
特に新車ディーラーの場合、メーカー車種に精通した整備士が対応しますし、本当のプロの仕事です。
じゃあ「中古車屋で買ったらどうすんだよ!」と言われそうですが、なにも遠慮はいりません。
ディーラーからすると、むしろ「新車を買ってくれる見込み客」が増えるわけで歓迎されるでしょう。
費用ですが一般的に「高い」と言われていますが、こればかりは一概には言えません。
ただ、確実に言えることは、タイヤも購入する場合のタイヤ代金は確実に割高です。
カー用品店でタイヤ交換してもらう
「オートバックス」や「ジェームス」などのカー用品店で交換するのもメジャーな選択肢です。
タイヤ交換は専門の作業スタッフが行いますし、安心して任せることができます。
タイヤ販売専門の「タイヤ館」なども、この分類に入る選択肢です。
ただ、北国などのように冬の前後に必ずタイヤ交換を行う地域では、タイヤ交換繁忙期に予約が取れないことが難点なのかもしれません。
それでもタイヤ購入と同時の交換であれば、タイヤ交換のみのお客様より優先されるので、好みのタイヤを見つけ交換するなら良い選択肢です。
ガソリンスタンドでタイヤ交換してもらう
行きつけのガソリンスタンドでタイヤ交換というのもよくあるパターンです。
ガソリンスタンドによって違いますが、安いところだと1本600円(税込)で脱着できます。
しかし高いガソリンスタンドだとディーラー並みの料金のところもあり、そればかりか素人の店員が知った風に「このタイヤそろそろヤバいですよ~」などと、タイヤ販売のセールストークをしてくるのが面倒です。
正直なところ、交換作業をするスタッフはプロとは言えませんし、安く済ませたい方が選択するのが正解だと思います。
メリットとデメリットの比較
では、これらの選択肢のメリットとデメリットはどうなのか?簡単にまとめてみました。
業者 | メリット | デメリット |
ディーラー | ・愛車に対する知識が豊富 ・タイヤ交換以外の点検もしてくれる | ・タイヤの販売料金が高い ・持ち込みが不可の場合もある |
カー用品店 | ・作業レベルが比較的高い ・タイヤの販売金額が適正 | ・やたらと混む場合がある ・不得意なタイヤメーカーがある |
ガソリンスタンド | ・作業料金が安い(場合が多い) ・懇意のGSだと相談しやすい | ・作業が雑なことが多い(印象) ・扱いタイヤのごり押し |
まとめ
一口に「タイヤ交換」といっても、タイヤ・ホイールの「脱着」と、購入して「履き替え」するのは違いますし、単純にはいえない要素があります。
今回は「脱着」にフォーカスして解説しましたが、「タイヤ交換」の必要に迫られた場合は損をしないように、いろいろ調べることをお勧めします。
また自力でタイヤ交換をする場合、脱輪事故など起こさないようトルクレンチを用意することがオススメです。