バッテリーの突然死問題!最近のバッテリーの問題と寿命を解説

バッテリーの突然死

バッテリーの技術は確実に進歩していて、EVに至ってはバッテリー性能が車の性能と同義語とすらなっています。

そんななかアイドリングストップ機能の普及に比例して「バッテリーの突然死」が注目されているようです。

この記事では、バッテリーの突然問題の原因や対策、そしてバッテリーの寿命などについて詳しく解説します。

 

目次

なぜ「バッテリー突然死」が問題になってきたのか?

Battery dead

車だけに限らず世の工業製品の多くにバッテリーが利用されていて、それが消耗品であることは知っていることです。

従来の車載用バッテリーであれば徐々に性能が劣化していき「あっ!そろそろ交換時期かな?」と分かったものですが、最近の高性能バッテリーは突然死んでしまいます。

皮肉なことにバッテリー技術の進歩によって、「バッテリーの突然死」がクローズアップされてきました。

 

バッテリーの進化

元々の車載用バッテリーは、エンジンを始動させるためのセルモーターに電力を供給することが主な目的で、一般的には二次電池といわれるものです。

二次電池

二次電池とは充電することで繰り返し使用できる電池のことで、車載用バッテリーのほとんどは電極に鉛を用いる鉛蓄電池です。

このバッテリーに変化をもたらした車の進化が「アイドリングストップ」の浸透で、自動車メーカーはエコだと大きく宣伝し採用車種が拡大しました。

なんかエコな感じがするけど、本当のエコなのかしら?

ぶっちゃけ言っちゃうと、バッテリーには過酷な使用方法ですね。
自動車メーカーのエゴとさえいえる機能です。

アイドリングストップ車用鉛蓄電池のサイズは始動用鉛蓄電池のサイズと共通でも、より高い耐久性や充電性能が必要とされるので通常車とは異なる規格・型式表示となっています。

つまり高性能になったのは確かなのですが、その進化は「バッテリー寿命ギリギリまで最大性能を発揮する」という方向でした。

便利な反面、使いずらくなってしまったのがアイドリングストップ用のバッテリーです。

これが昔だったら「バッテリーの寿命を延ばす」という進化へ舵を切ったのでしょうが、アイドリングストップだけではなく多くの電装品を搭載した現代の車では、燃え尽きるまで頑張るバッテリーの方がニーズは高かったのでしょう。

「命尽きるまで全力を出し切る」というのは一見カッコいいことですが、ドライバーとしては実に困った現象です。

 

バッテリーの寿命

車載用バッテリーの寿命は25年と言われており意外と幅があるもので、これは使用状況によって大きく変わってくるからです。

バッテリーの価格はアイドリングストップ用だと高いので、できればギリギリまで交換したくないのが庶民感覚というものでしょう。

とはいえドライブ中にバッテリーが突然死してしまえば、目も当てられない事態となってしまいます。

高い交換費用を出来るだけ先延ばししたいわ。

ディーラーとしても無理に交換は勧めませんよ。

可能な限りバッテリーの寿命を延ばすためには、バッテリーにとって過酷な使い方をしないことがベストです。

バッテリーというものは使用していなくても放電されています。つまり月に数度しか車を動かさないような使い方はバッテリーにとっては過酷な状況です。

なぜなら、ほとんど充電される機会が無いのですから・・・。

また「ちょっと近所のコンビニまで車で行く」といった超短時間の車の使用も、バッテリーにとって辛い使われ方です。

歩くのが面倒だから仕方ないのじゃ。

このような点を意識すれば、数万円するだろうバッテリーの交換サイクルを伸ばすことができます。

もう一度言いますが、最新のバッテリーは「エンジンのかかりが悪くなったな!」とか「ライトが暗いな」など、自分の衰弱具合という弱みを見せてくれません。

 

バッテリーが突然死すると・・・

昔は徐々にバッテリーが弱っていき、ある日「エンジンが始動しなくなる」というのがバッテリー上がりの典型的なパターンでした。まあ衰弱死ですよね。

ところが昨今の「バッテリーの突然死」では走行中に起こりえるから困ったものです。

例えば赤信号で停止しアイドリングストップでエンジンが停止したとして、その後青信号で発信しようと思ったら「突然死」していた・・・なんてこともあり得ます。

意外とありうるシチュエーションで、焦ること必定です。

交通量の多い交差点やショッピングセンターの駐車場の出入り口で”突然死”でもしたら最悪です。

実際にJAFの出動理由でも「バッテリーあがり」が安定の第1位を獲得し続けています。

 

「バッテリーの突然死」への対策は?

Battery Measures

困ったバッテリーの「突然死」問題ですが、はっきり言ってしまえば「衰弱死」を迎えていた昔のバッテリーであってもいつかは交換しなければなりませんでした。

つまり「突然死」を迎える前にバッテリーを交換する以外に、最終的な解決策はありません。では交換する前提で少しでも出来る対策を考えましょう。

 

ずばり「アイドリングストップ」やめてしまおう

バッテリーにとって「エンジンの始動」が一番電圧の下がる負担の大きいシチュエーションです。

現在多くの車に搭載されている「アイドリングストップ」という機能ですが、それは“エンジンの始動回数が増える”という機能だと言えます。

これはバッテリーだけではなく、エンジンにとってもシビアコンディションとなり、僅かばかりの燃費の向上のためエンジンやバッテリーの耐用年数を下げていることになるのです。

アイドリングストップ機能は正直なところユーザーにメリットはありません。むしろバッテリー交換費用などが嵩みます。

ちなみにアイドリング中(1分間)のガソリン消費量の目安は下表のとおりです。

 

自動車の種類・排気量1分間のガソリン消費量
軽自動車(660cc12.5mL
コンパクトカー(1500cc14.0mL
普通自動車(1800cc15.0mL
普通自動車(2400cc17.0mL

 

車の使用頻度によりますが、サンデードライバーであれば年間に節約できるガソリン代は5千円にも満たないことになり、それと引き換えに数万円はするバッテリー交換費用が、4年程度に1回から車検ごと(2年)になるデメリットの方が大きいのです。

エコドライブは、実は全然エコじゃないことを理解しましょう。

一見「エコに逆行する」ようですが、バッテリーの廃棄量を半分に減らせることも、十分エコなことなのです。

ちなみに環境に優しいといわれているEVも、リチウムイオン電池の廃棄による環境汚染が問題になりつつあることを考えると、「あるものを長く使う」ことこそエコだといえます。

 

バッテリーを少しでも長持ちさせよう

先ほども説明したとおり、車載用バッテリーを長持ちさせる基本は適度に車を利用し、ちょっとだけ運転を避けることです。

充電は車を走行させることによって行われます。つまりくるまを走行させず放置すると充電されないことになります。

一方エンジンスタートから走行中の各種装備への電気供給など放電は行われていますが、実は車を動かしていない時も「自然放電」といって蓄えられている電力が減少していきます。

ネットを見ていると「田舎あるある」で言われているのが、100m先であっても車で行くという行為です。

 

このような行為は車にとってもバッテリーにとっても、マイナス以外なのものでもありません。

ただ、これとは別の話で“エコ”ではないでしょうが、月に1~2度は愛車をロングドライブに連れていってあげることがバッテリー寿命の延長につながります。

バッテリーだけではなく、大事な愛車のメンテナンスには気を使ってあげたいものです。

 

少しでもバッテリー交換費用を安くしよう

Save Money

いずれ交換しなければならないバッテリーですが、交換時の費用を安く済ませることも節約の大きな要素です。しかし問題なのは「最近の車は電子制御の塊」で、なおかつ構造が複雑になっていることです。

特に”お高い”車であればあるほど、昔のようなDIYで交換というのは難しいのが現実です。なんと電子機器のデータをバックアップしておかないと次のようなことが起こる可能性があります。

  • エンジンの始動が悪くなる
  • ナビゲーションシステムが初期化される
  • パワーウィンドウやドアロックが効かなくなる
  • 記憶された学習データがなくなる

しかしバックアップを取ってDIYで交換することも、決して不可能ではありません。では交換する主な方法と、メリットデメリットはどうなのでしょうか?

 

自分で交換する(DIY

自分でバッテリー交換するのが一番安上がりな方法で、それはバッテリーという部品代だけで済むのですから当たり前のことです。

今どきネットで調べると”同じ製品”でも安いものがすぐ見つかります。

自分で交換するときは、まずその車種に適合するバッテリーを探しますが、大きく分けると「従来型のバッテリー」と、アイドリングストップ車用の「大容量バッテリー」の2種類に分かれます。

アイドリングストップ車のバッテリーは大容量でも、アイドリングストップ機能を使いまくればすぐ死にます。

作業については「ステー(バッテリーを固定している金具等)を外す」「マイナス端子から外しプラス端子も外す」「バッテリーの交換」と進め、後は逆の手順でステーを固定して終了です。

デメリットとしてメーカー保証外の作業となり、最悪電子制御のデータが戻らないなどの事態も「完全自己責任」となることです。このリスクを考えると「工賃」という費用は意外と安いものかもしれません。

最近の車であればDIYはオススメできません。プロに任せましょう

ディーラーで交換する

先ほどのDIYの対極にあるのがこの方法で、一番費用がお高い方法です。何が高いかと言えば・・・まあ全てなのですが、特に「純製品」といわれる部品代が高額です。

しかし「安心感」という点ではディーラーでの交換が一番安心です。特に最近の車の多くは「走るコンピュータ」のようなもので、プログラムの書き換えなどメーカーごとの専門的メンテナンス知識が必要な部分が多いので、最悪を避けるという意味では「安心感」は重要なことです。

 

カー用品店で交換する

先の2つの方法の中間に位置する方法が、オートバックスやジェームスなどのカー用品店で交換するという選択です。

ただ適合するバッテリーの部品代が安くなる可能性が高いという以外、個人的には「どうなのかな・・・?」と思う点も多くあります。

メーカー系のディーラーは「純正品以外は保証できません」と脅しますが、全然無問題なのが実際です。

というのもカー用品店はあくまで物を売る「量販店」なので、ピット作業の信頼性にはバラつきがあるからです。

なんとも曖昧なことですが、「交換すると決めた」ならカー用品店で相談して、ディーラーとの費用差を検討したほうが良いでしょう。

 

まとめ

最近の、特に「アイドリングストップ車」でのバッテリー”突然死”問題ですが、そんな場面にならないよう、普段の走行状態やそれによる交換時期をよく考えなければなりません。

アイドリングストップのお陰で「浮くガソリン代」よりも、それによる「バッテリー交換費用」が高くなったら皮肉なものですが、前兆が分かりにくい分だけ2年くらい経過したら考えておくようにしましょう。

全てのドライバーの皆さんが「バッテリーの突然死」に遭遇しないことを祈っている車好きでした。

バッテリーの突然死

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